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アリゾナで人気の食べ物と料理

アリゾナの住民は黒豆や青トウモロコシ、そして時にはサボテンを食べ、ステーキをパサパサになるまで調理したものを好みます。 アリゾナの地元料理はネイティブ・アメリカンとメキシコの強い影響を受けているため、他州の人々にとっては少々奇妙に映るかもしれません。 しかしアリゾナ特有の食品について理解しておくことで安心感に繋がります。アリゾナの名物料理を詳しく知れば知るほど、さらにおいしく味わうことが出来るでしょう。

チミチャンガ(Chimichangas)

テックス・メックス(テキサス流メキシコ料理)やニューメキシコ料理とは対照的に、アリゾナ版メキシコ料理はメキシコ北部に良く見られるボリュームのあるチーズたっぷりの料理と似ています。 量も多く味も良いのですが、それほど特筆すべきものはありません。

しかしながらアリゾナにはチミチャンガとトポポサラダ(topopo salad)という2つの素晴らしいこの地方特有の副産物があります。

チミチャンガは「チミ」とも呼ばれます。小麦粉で出来た大きなトルティーヤに肉を詰めて油で揚げ、その上にグアカモレ、チーズやサルサを乗せます。 とてもこってりとしていますが、大変おいしいものです。チミチャンガの正確な起源はシーザーサラダやファヒータ(fajita)同様広く論争されていますが、ツーソンにあるレストランが最初に紹介した、という説が最も有力です。



トポポサラダ(Topopo Salad)

どうやってその名が付けられたのか、どうやってこのサラダがツーソンにやって来たのか、そしてまたどうしてこのサラダはここにしかないのかは定かではありません。 しかしトポポサラダはごちそうであり、いくつかのバリエーションがあります。

一般的にはカリッと揚げられたトウモロコシのトルティーヤにリフライドビーンズを広げ、その上にレタス、トマト、チキン、チーズ、そして時々サワークリームも乗せます。 こんなにボリュームのある料理にも関わらずサラダと名前が付いているだけに、サラダしか食べていないと言い訳することができます。

このトポポサラダは、ツーソンのSouth 4th Avenue沿いにあるレストランのほとんどで注文することができます。



サボテン

アリゾナの住民はどんなサボテンでも食べるというわけではありません。 しかしウチワサボテンに限ってはとげ以外のほとんどの部分を食用として使うことができます。 ウチワサボテンの若い葉は柔らかく、「ノパル」と呼ばれています。アリゾナ南部ではメキシコ料理に使われ、大抵薄切りか角切りにされ、卵と炒められることが多いようです。 こんがりとローストしたノパルやマリネ状のノパル入りのサラダも時々見かけます。

またアリゾナのスーパーでは小さな細長いピクルス状のものが売られ、「ノパリト」と呼ばれています。ノパルはあっさりとしており、食感共に良くも悪くもオクラに似ています。 ノパルの良い点はビタミン、ミネラル、抗酸化物質、そしてアミノ酸が豊富なところです。そしてさらにはその豊富な繊維質が消化を遅らせるため、ダイエットに良いとされています。

ウチワサボテンの身は「ツナ」と呼ばれ、形はキウイのようで甘く、中に種が入っています。ちなみに魚のツナとは全く関係がありません。 ツナの色は薄ピンクからラベンダー、そして真紅と様々で、ジャムやジェリー、マリネの漬け汁や甘いシロップにされたりします。しばしばカラフルなマルガリータを作るのに使われます。



トウモロコシ

トウモロコシはネイティブアメリカンやメキシコ人の食事にとってかかせないものとなっています。 トルティーヤ、ピキブレッドからホミニー(トウモロコシの外皮や胚芽を取り除いたもの)を使ったスープやシチューまで、様々な食べ物がトウモロコシから作られています。 この両文化ではトウモロコシの皮でさえも使います。(例えばタマレスのように)いわゆるインディアンコーンと呼ばれる、色とりどりのトウモロコシがありますが、これは最近ではほとんどが装飾に使われます。


青トウモロコシも地元のトウモロコシの一つですが、こちらはアメリカ南西部の料理に欠かせないものになってきています。 プエブロ族の多くによって育てられ、ホピ族にとっては創世神話の一つとしてとても重要な食べ物です。


青トウモロコシは軸付きのまま食べることはなく、乾燥させ砕いてコーンミールにします。 このトウモロコシから作られたコーンミールは一般的なコーンミールと比べると見た目も大変良く、風味も豊かです。 粋な南西部のシェフ達は青トウモロコシを大変重宝しています。というのも、青トウモロコシは地元の伝統を活用し、美的満足も与えてくれるという、2つの重要な調理理念を裏付けているからです。 アリゾナの高級レストランでは青トウモロコシのトルティーヤやタコスの皮を頻繁に見かけることでしょう。



唐辛子・チリ(Chiles)

まず最初に言っておきますが、チリ(Chile)ペッパーではなくチリ(Chili)ペッパーです。このように混同されるようになったのはいつからなのでしょう。 あるシェフによると、それはコロンブスの時代に遡ります。彼はヨーロッパに新種の黒コショウを持っていったつもりでしたが、実際は全く別属の植物である、カプシカムと呼ばれる唐辛子だったのです。

次に、唐辛子を意味するチリの語尾はe(Chile)で終わり、i(Chili)ではありません。 Chiliと書くほうのチリは肉や豆から作られるシチューのことですが、その中には大抵唐辛子のチリ(Chile)が入っています。これら2つのチリは全く別の食品群です。 シチューのチリについてはアリゾナのチリとは異なりますので、テキサスの住民に聞くと良いでしょう。

最後に、唐辛子が全て辛いと言うわけではありません。アリゾナで出会う唐辛子はほとんどの場合比較的穏やかな辛味のアナハイムチリとポブラノチリで、これらはレエノ(relleno)と呼ばれる詰め物料理に使われることが多いようです。

また乾燥したアナハイムチリをリストラ(ristras)と呼ばれる吊り飾りとして使ったりもします。 中辛のハラペーニョ(jalapeno)も多くの料理に使われており、そのハラペーニョを燻製にしたものはチポレ(Chipotle)と呼ばれます。

それよりさらに辛いセラノチリ(serranos)が使われた料理も時々見受けられますが(食べた後に少し舌がピリッとします)、火を噴くほど辛いハバネロ(habanero)は滅多に見かけないでしょう。 ハバネロの辛さはハラペーニョの30~50倍とも言われています。ニューメキシコと比べると、アリゾナの住民は一般的に唐辛子に関しては怖がりです。 そういう訳で、ここアリゾナでのサルサの辛さを心配する必要はないのです。



シラントロ(Cilantro)

シラントロはコリアンダーの葉に由来するハーブで、圧倒的な人気を誇ります。チャイニーズパセリとも呼ばれ、アメリカのパセリとも同類です。 メキシコ料理やアメリカ南西部の料理といえばシラントロが入っていると言っても過言ではないくらいです。 例えばカニ肉のエンチラダ、ハラペーニョ・シラントロペストソース添えといったようなメニューがあるくらいです。

どうしてもシラントロは苦手という人も中にはいるのですが、新鮮で爽快なその味を好む人にはなかなか理解できないことでしょう。 どうやらシラントロにアレルギー反応してしまう人がいるようで、その場合まさに石鹸のような味がするそうです。 ピーナツや乳製品、そしてその他の食品にアレルギー反応を起こす人がいるのと同様です。

もしそのケースに当てはまる場合(初めてシラントロを食べた時に分かるようですが)、 メキシコ料理や南西部のレストランで食事をする際には注文した料理にシラントロが含まれていないかどうかをお店の人に確認することをお勧めします。



野菜

おそらくアリゾナで一番人気のある野菜はレタスでしょう。実際アリゾナ州のユマは全米最大のアイスバーグ・レタスの産地です。 レタスは特に千切りのものが重宝され、メキシコ料理ではチーズや豆の付けあわせとして使われます。


しかし、南西部料理の新人シェフにはかぼちゃが人気です。というのも、かぼちゃは西半球が原産地であること、そしてかぼちゃの種類の多くがエキゾチックだからだと思われます。 人気のある2つのかぼちゃを例に取ってみましょう。一つは、カラバザ(calabaza)と呼ばれる甘さと硬さがバターナッツかぼちゃに似た黄色いかぼちゃです。 そしてもう一つはチャヨーテ(chayote)と呼ばれるキュウリのような味のする洋ナシサイズのかぼちゃで、アステカ族とマヤ族の主食だったと言われています。


根菜類の一種であるヒカマ(jicama)も人気の野菜で、たいてい生のままサラダに使われます。ヒカマはウォーターチェスナッツのようにシャキシャキとした歯ざわりですが、それよりも甘みがあります。



牛肉

アリゾナ州は牛の放牧が盛んな地だったこともあり、アリゾナのステーキには色々な肉の種類や大きさがあります。 その調理法も、単にフライパンで焼いたステーキから、バターでソテーされた豪華なステーキまで様々です。

その中でも最も一般的でおいしい調理法はメスキート・グリル(メスキートの木片を使ってグリルされたもの)です。 現代の冷蔵庫が普及するまでは、アメリカ南西部の食事では乾燥肉が中心でした。 そしてその伝統がビーフジャーキーとして引き継がれています。(全米各地のコンビニエンスストアのレジの脇に置かれていますね。)

またカルネ・セカと呼ばれる、大変口当たりの良いメキシコ料理版乾燥牛があります。 これは天日干しの後細かく刻み味付けをして炒めたもので、しばしばタコス、ブリトー、エンチラダの具として使われます。



メキシコ北部の人々とカウボーイ双方にとって、豆は大きな役割を果たしています。映画「ブレージング・サドル」に登場する、有名なキャンプファイアーの場面が思い浮ぶ人もいることでしょう。

アリゾナには本当に様々な種類の豆があります。カジュアルなステーキハウスでは、リブチキン、そしてその他の肉料理にバーベキューソースで調理されたインゲン豆が添えられます。 おしゃれなアメリカ南西部料理の新しいレストランでは、こくがあり燻製風の味付けの黒豆が重宝されスープやディップに使われています。

また、黒豆はタートルビーンという名でも知られています。メキシコ料理によく使われるフリホーレという豆はピント豆と呼ばれることが多く、 揚げてからチーズと共にトッピングに使われ、レフリートスと呼ばれます。



パン

アリゾナにもサワードウや小麦のパン、そして柔らかい食パンはありますが、ここで人気なのはトルティーヤとインディアン・フライブレッドです。 トルティーヤはトウモロコシや小麦から作られたものがほとんどですが、全粒粉タイプのものも少しずつ増えています。

インディアン・フライブレッドは薄く丸い生地を揚げ、様々なトッピングをしたものです。 そのフライブレッドにレタス、チーズ、トマトやひき肉を乗せたものがナバホタコスと呼ばれ、薄く平らなところ以外はメキシコ料理のタコスと似ています。ナバホは、アリゾナのインディアンの一部族名です。

その他のネイティブ・アメリカン特有の料理と言えばピキブレッドです。青トウモロコシの粉から作られたピキブレッドはもろくてサクサクしており、一般的にホピ居住区でのみ食べることができます。